キチンの製造

キチンの工業的製造の原料として、通常はカニエビなどの殻(甲殻)が使用されます。潜在的なキチン資源としては節足動物の甲殻や菌類の細胞壁などありますが、効率と価格の制約から、水産加工場の廃棄物として集中的に大量に得られるカニやエビの甲殻が一般的です。

原料の甲殻からキチンを取り出すために、キチン以外の成分を除去します。
@原料の甲殻は、カニやエビから剥離した後、水洗、乾燥して粉末にします。
A甲殻粉末を希塩酸またはEDTA溶液で処理してカルシウムを除きます。
B希水酸化ナトリウムまたはタンパク質分解酵素などの処理でタンパク質を除きます。
製法によりキチンの品質が変わってきます。灰分、タンパク質の残量分、脱アセチル化度、分子量などに影響してきます。