キトサン、キチンの構造・性質

【構造】
キチンはN-アセチル-D-グルコサミンがβ-1,4-結合で直鎖状に連なった多糖、つまりβ-1,4-ポリ-N-アセチル-D-グルコサミンで、キトサンはその脱アセチル化物β-1,4-ポリ-D-グルコサミンと定義されます。化学構造的にはセルロースに似ています。分子量としては通常、10万〜100万程度で、1分子は数千個のグルコサミンから構成されます。

【性質】
純粋なキチンは水には溶けません。特別な溶媒を使用します。フレーク状のキチンはサラサラした触感で、指先で触ると、固いというよりもしなやかで弾力がある感じがします。色は本来は無色あるいは白色粉末です。一方、キトサンはキチンと同じような外観ですが、多種類の酸の薄い溶液に容易に溶けます。これはキチンにN-アセチルアミノ基のアセチル基がはずれてアミノ基になっているためです。