高分子凝集剤としてのキトサンの利用

キトサンが工業的規模で初めて利用されたのは、廃水の活性汚泥処理から排出される余剰活性汚泥の凝集の助剤、つまり高分子凝集剤としてです。キトサンは第一級アミノ基を持っているために、酢酸や塩酸などを用いると水に溶解されることができます。酸性溶液中ではキトサンはカチオン性の高分子電解質となり、高分子凝集剤として利用することができます。

高分子凝集剤として使う上で、キトサンの利点は天然高分子誘導体であり生分解されるということです。しかし、合成高分子凝集剤と比べると高価格で原料供給量が少ないことが欠点となります。キトサンの高分子凝集剤としての利用は主に汚泥の凝集、脱水の分野になります。