キチンの人工腱、人工靱帯

キチンは親水性が高く生体吸収性があるために、生体材料として軟組織の代替として利用されることが多いです。骨や歯などの硬組織については、一時的な補強剤として使用すると良好な再生が期待されます。

腱、靱帯などはコラーゲン線維に密度が高い柔軟性を持った集合体であり、運動時に大きな加重がかかる部分です。これらは軟組織に近い構造をしていて、組織の修復が比較的速いところでもあるために、キチン材料を応用するのに適している部位と言えます。

合成材料として、ひも状にしたゴアテックス(延伸ポリテトラフルオロエチレン繊維)、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維などがありますが、生体内で異物反応が伴います。そこで生体吸収性がよく生体親和性も高いキチンを編み糸にしたキチン繊維の応用が期待されます。