キトサン、キチンの発見・分布
【発見】
1811年にフランスの植物学者Braconnotが、西洋キノコを希アルカリで加熱処理した後の不溶性物質をファンジ(fungine)と名づけました。
1823年にOdierが、昆虫のクチクラ(角皮、表面の堅い部分)にファンジンと類似の物質を発見し、ギリシャ語で「包むもの」を意味する言葉から、キチン(chitin)と名づけました。
1859年にRougetはキチンを水酸化カリウムの濃厚溶液中で加熱すると、有機酸に溶けることを発見し、1894年にHoppe-Seylerがこれをキトサン(chitosan)と名づけました。
【分布】
キチンは菌、植物、動物にわたって広く分布します。菌、植物については細胞壁を構成する成分で、構造的な強度を維持しています。動物については外骨格を構築するクチクラ層に存在しています。特にエビ、カニ、昆虫などには多く含まれています。
また、キトサンは接合菌類の細胞壁に存在しています。